宣教師フランシスコ・ザビエルが長崎地方において初めてキリスト教を伝えた地である平戸には、禁教期に潜伏キリシタンたちが密かに崇敬した聖地が残り、いまも大切にされています。これらは、古くから信仰の対象とされた山岳、かつて十字架があった丘、禁教初期に迫害が行われた島や海岸、岩など、自然の中に人々の暮らしとともにあり、風土に刻まれた歴史をひっそりと物語っています。
このエリアは、「密かな聖地を巡る道」をテーマに、平戸市の市街から生月、平戸島西海岸の春日、高越、獅子、根獅子、飯良を通って津吉へと続く3つの巡礼路から成ります。南蛮貿易を継続したい領主がキリスト教の布教を容認し、有力家臣らが改宗したために信徒が増え、禁教期に潜伏や殉教のあった地域を歩くルートです。