Vol.449
2023年3月27日 公開
大塩平八郎の乱・・・。
日本史の教科書に登場したこの言葉を覚えている人は多いでしょうね。
この事件は1837年に大坂町奉行の元与力で陽明学者の大塩平八郎が門人たちと起こした江戸幕府に対する反乱のこと。3月27日(新暦5月1日)は大塩が蜂起に失敗し自害した日だそうです。
当時は全国各地が大飢饉に見舞われ、餓死者が続出し、大坂でも米不足によって多くの犠牲者が出ていました。
この惨状を知った大塩は民衆の救済を奉行所に申し出るのですが拒否されてしまいます。
その一方で米を買い占めて利益をむさぼる豪商たちの振る舞いに怒りをおぼえた大塩は、門人や民衆に呼びかけて反乱を決行。しかし、味方の裏切りによってその日のうちに鎮圧され自害してしまったのです。
蜂起は失敗に終わったものの、彼の行動は多くの人々の心を動かし、日本を変革する礎になったともいわれています。
与力時代は奉行所にはびこる汚職や、心ない僧侶たちの悪行を摘発するなど、数々の功績をのこしてきた大塩平八郎。
そのなかにはキリスト教徒とみなされた者たちを捕え、市中ひきまわしのうえ磔刑(たっけい)にした事件もあったとのこと。
これには穏便な処置を求める声もあったようですが、頑として受け入れなかったといわれています。清廉潔白で何ごとにもきびしい人だったのでしょうね。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)