おらしょ こころ旅

Vol.445

秀吉の人物像

2023年2月27日 公開

1594227日は新暦417日。豊臣秀吉が奈良吉野で花見を開催した日です。

天下統一を成し遂げた数年後とあって同行したのは徳川家康、前田利家、伊達政宗などのほか、茶人、連歌師など総勢5千人。歌の会、茶の会、能の会などが約5日間にわたって行われたそうです。

まさに天下人の権力を象徴するような花見だったのでしょうね。

秀吉は織田信長の後継者としてキリシタン保護政策を継承していましたが、1587年(天正15年)、九州平定後に立ち寄った博多で突如として伴天連(ばてれん)追放令を発布しました。

その大きな理由が、神社仏閣が破壊され、仏僧が迫害されていることや、長崎がイエズス会に寄進されたことなどでした。

このままでは国を乗っ取られてしまう、西欧列強の植民地化計画が実行されようとしている、そう実感したのでしょう。

伴天連追放令の発布は貿易の禁止には至らなかったものの、20日間以内の宣教師の国外退去、布教禁止が命ぜられたのでした。

これまではキリシタンを弾圧した非道な君主というイメージが幾分強かった豊臣秀吉。しかし一方では日本を植民地化から守った人物という側面も見えてきました。

視点を変えれば新たな人物像が浮かび上がってくる・・・これも歴史の奥深さなのでしょうね。

 

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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