Vol.438
2023年1月9日 公開
1月9日は成人の日ですが、「とんちの日」でもあります。とんちで有名な「一休さん」にちなんで「(1)いっ(9)きゅう」の語呂合わせから制定されたそうです。
「とんち」とは、その場面に応じて即座にでる知恵のこと。とんちで人を笑わせてその場を和ませることができる人は本当にうらやましいと思います。
テレビアニメなどで人気者だった一休さんは、実在した室町時代の臨済宗の僧侶一休宗純(そうじゅん/1394年〜1481年)のことだといわれています。
後小松(ごこまつ)天皇の子ともいわれ、当時の不安定な情勢に巻き込まれないよう出家させたという説もあります。
6歳で京都の寺に入門し、早くから詩才を発揮し、15歳のときにつくった漢詩が市中で評判になるほどでした。
その後、師匠が死去したことをきっかけに寺を出て仏教を説きながら放浪を続け、数々の逸話をのこしたといわれています。
その代表的なものの一つが屏風の虎退治。時の将軍足利義満が「屏風絵の虎が夜になると抜け出して暴れているので退治してほしい」と訴えたところ、「捕まえますから虎を屏風絵から出してください」と切り返したという話は有名ですね。
一休宗純が生きた室町時代は1336年から1573年まで。フランシスコ・ザビエルが平戸に赴き布教を始めたのが1550年。翌年、ザビエルは京都に行って布教を始めていますから、もし一休がこのとき生きていてザビエルと出会っていたら、キリスト教にどんな印象をもったのか、聞いてみたいような気もします。
今年も「おらしょ こころ旅」をよろしくお願いいたします。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)