Vol.430
2022年10月31日 公開
10月31日はハロウィン。キリスト教の諸聖人をまつる祝日「万聖節」の前夜祭に行われる行事です。
古代ヨーロッパの原住民ケルト族の収穫感謝祭が起源とされ、キリスト教に取り入れられて現在のような形になったといわれています。
この日はケルト族にとって一年の終わりの日で、この夜には死者の霊が家族を訪ねてきたり、精霊や魔女が現れたりすると信じられていたことから、身を守るために仮面をかぶり、魔除けの火を焚いていたそうです。
これにちなんで魔女やお化けに仮装した子どもたちが「お菓子をくれなければいたずらをするぞ」と唱えて近くの家を訪ねるようになったとのこと。
季節は異なりますが、お大師様の日にお寺にお参りにくる子どもたちに団子やお菓子を振る舞う風習と似ていますね
クリスマスやバレンタインデーと比べてハロウィンはあまり馴染みがないという世代の方もいると思いますが、これを日本で初めて取り扱ったのは東京原宿にある有名な雑貨店で、ハロウィン商品の販売促進のためにパレードを行ったそうです。
その後、テーマパークや菓子メーカーがこれに注目し、商品の販売やイベントの企画などに乗り出したことにより全国に広まっていったようです。
ハロウィンはもともと一年の収穫に感謝する祭りですから、日本でいうところの “村の鎮守のお祭り”のような存在ともいえますね。
禁教期、厳しい弾圧や取り締まりから逃れるために表向きは仏教徒や神社の氏子となって寺社に参詣していた潜伏キリシタン。
彼らもこの日は一人の村人としてお祭りに参加し、近隣の人々と交流を図りながら季節の恵みに感謝していたのでしょうね。
ここ数年、コロナ禍で開催されなかった秋の祭りですが、今年あたりから少しずつ実施されるところも出てくるのかもしれません。大自然に感謝する良い機会でもありますからね。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)