Vol.426
2022年10月3日 公開
友人から数枚の旅行の写真が送られてきました。
場所はアメリカのニューメキシコ州にあるホワイトサンド国定公園。メールには「ニューメキシコはテキサスの左隣の州」という説明が付け加えられていました。
写真におさめられていたのはまぶしいほどの白い砂丘。それを包むように広がる空の青さとのコントラストはためいきがでるほどの美しさでした。
白い砂の正体は「太古の海の石膏」らしく、一帯に川がないことから雨や雪解け水などで溶け出した石膏が平地に溜まって結晶となり、長い年月とともに風化、浸食されて現在のような姿になったとのことでした。
写真には白い砂の上にあぐらをかき、手を合わせて目を閉じている人の姿もありました。
大自然のエネルギーを体いっぱいに受けようとしているのか、あるいは静寂に包まれた世界でひたすら自分と向き合っているのか、いずれにしてもその行動に共感をおぼえたのでした。
友人が送ってくれた写真のように特別な場所でなくても、旅は心を解放し、自分と向き合う時間を与えてくれます。
このウェブサイトで紹介している「世界遺産巡礼の道」。
もうすでにエリアマップを片手にいろんな場所を訪れた方も多いと思いますが、季節が変わり、自らを取り巻く環境や社会情勢が変化するなか、再び歩く巡礼の道はこれまでと違った新たな刺激をプレゼントしてくれる、そんな気がします。
色づき始めた木々のざわめきや、遠くにきこえる波の音、頬をなでる風のささやき・・・その一つひとつに様々な想いを重ねながら「世界遺産巡礼の道」を楽しみたいものです。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)