Vol.423
2022年9月12日 公開
9月12日は「マラソンの日」。
紀元前450年のこの日、ペルシャ軍がアテネを襲い、マラトンに上陸したものの、アテネ側がこれを見事に撃退して勝利しました。
この吉報を伝えるために、一人の兵士が伝令となってマラトンから約40km離れたアテネまで走っていったのですが、勝利を報告したあと力尽きて亡くなってしまったそうです。
これがマラソンの起源であり、マラソンの日の由来だといわれています。
1896年(明治29年)にアテネで開催された第1回オリンピックでは、この故事にちなんでマラトンからアテネ競技場までの約40km競走が初めて競技として実施されました。
オリンピックの第1回から第7回まで距離は約40kmであればよいとされていたのですが、第8回大会から距離が統一され、現行の42.195kmになったそうです。
40歳になった頃、趣味でランニングを始め、その楽しさから距離を延ばしてフルマラソンに挑戦したことがありました。
20km過ぎから徐々に襲ってくる体の痛みや苦しみ、さらに関門ごとに設定された通過時間をクリアしなければならないというプレッシャー・・・。
肉体的にも精神的にも試練の連続でしたが、完走した達成感がすべてを消し去ってくれました。
人生はよくマラソンのようだといわれますが、多くのモノ、コトの歴史は人から人へとたすきをつないでいく駅伝のようなものだと思います。
250年以上も続いてきた潜伏キリシタンの信仰の歴史も、まさに駅伝のように親から子に、子から孫へと受け継がれてきました。
そう考えると、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」はこの独特の信仰文化を後世に伝える道しるべといえるのかもしれませんね。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)