おらしょ こころ旅

Vol.419

ザビエルの願い

2022年8月15日 公開

815日は、1534年にイグナティウス・デ・ロヨラを中心とした7名の同志によってカトリックの男子修道会「イエズス会」が創設された日です。

イエズス会は、1540年にローマ教皇に承認されると、世界各地で宣教に乗り出しました。

創設者の一人であるフランシスコ・ザビエルが日本にキリスト教を伝えたのは1549年。その後も宣教師が次々と日本を訪れ、各地で布教活動を行いました。

平戸から横瀬浦、福田を経て、1570年に開港が決定した長崎では、翌年から新たなまちづくりが始まり、岬の突端に教会が建てられました。

その後、秀吉の伴天連追放令によって教会は破壊されたものの、禁教が徹底されなかったこともあり、教会は再建され、さらに多くの教会や学校、福祉施設が誕生。家康が幕藩体制を確立するまで長崎はキリシタンのまちとして栄えたのでした。

しかし、江戸幕府の禁教政策によって宣教師は国外に追放され、信徒たちは棄教、改宗を余儀なくされるなど、その後は長く厳しい弾圧の時代が続きました。

1873年に禁教令の高札が撤廃され、20世紀に入ると、ローマ教皇の要請を受けた3人のイエズス会員が来日して上智学院を設立。1913年には大学が開校されました。

かつて日本人の資質を高く評価し、日本での大学設立の願いをイエズス会会員あての書簡に記したというフランシスコ・ザビエル。その想いは360年以上の時を超えて実を結んだのでした。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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