Vol.416
2022年7月25日 公開
7月25日は「かき氷の日」。
かき氷は別名「夏氷(なつごおり)」と呼ばれることから、「な(7)つ(2)ご(5)おり」の語呂合わせと、1933年のこの日、山形市で当時の日本最高気温40.8℃を記録したことにちなんで制定されたようです。
かき氷の歴史は古く、平安時代に書かれた清少納言の随筆「枕草子」に「削り氷(けずりひ)」として登場します。
この記述によると、当時は小刀で削った氷を金属製の器に入れ、蜂蜜のような甘味料である甘葛(あまづら)の樹液をかけて食べたらしく、特権階級の人の口にしか入らない貴重なものでした。
機械による製氷が可能になったのは明治時代。その後、昭和に入って氷削機が登場し一般に普及するようになりました。
食品の冷却用として、また涼を運ぶ装飾としても利用されている氷ですが、かつては拷問に使われたこともあったようです。
1867年に起きた大検挙事件「浦上四番崩れ」では、信徒たちが富山以西20の藩に流配され、水責めや火責めのほか、氷の張る池に放り込まれるなどの拷問を受けたそうです。
いつの時代もおいしさと快適さをもたらしてくれるものであってほしい氷。
色とりどりのシロップや練乳をかけたかき氷を口に運ぶたびに、今年も健康で幸せな夏を迎えることができたことに感謝するのでした。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)