Vol.412
2022年6月27日 公開
夏至も過ぎて6月ももう終わり、季節はいよいよ本格的な夏へと向かいます。
そんななか今週6月30日は、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産への登録が決定された日。2018年にバーレーンの首都マナマで開催された世界遺産委員会で決定されました。
登録を心待ちにしていた関係者や地元の皆さんにとってはこの上ない喜びだったに違いありません。
その後、資産の保護や継承に向けた取り組みが進むなか、2020年春頃から世界中に暗い影を落とし始めたのが新型コロナウイルス感染症でした。
これにより人々の移動や交流は大きく制限されるようになり、訪れる人々への対応も状況に合わせて変化していきました。
拠点施設の設置やガイドの育成などに力を入れてきた自治体にとって登録効果が望めなくなったことは大きな痛手だったに違いありません。
しかし一方で、構成資産のほとんどが周囲の自然環境を含めた「集落」だったことが、心のいやしを求める人々の来訪につながったのではないかと思います。
今春には5つのエリア、全35の巡礼路からなる総延長約468kmの「世界遺産巡礼の道」が誕生しました。
まだまだ先の見えないコロナ禍ですが、安全に気をつけて潜伏キリシタン関連遺産の豊かな歴史や文化、美しい自然を満喫していただきたいと思います。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)