Vol.99
2016年5月23日 公開
最近、古い建物などを改装した雑貨屋やカフェなどをよく見かけます。伝統と現代、古いものと新しいものとの出会いが、空間にこれまでとは違う趣を生みだしていて楽しくなります。
こういった取り組みは、県内のいろんな場所で行われているようで、先日訪れた東彼杵町にもそんな店がありました。
ひとつは、1928年に開業し、今は無人駅となっている千綿駅。1993年に改築された駅舎はおしゃれで、ホームからは美しい大村湾を眺めることもできます。
ここにはカフェを併設したデザイン事務所があり、おいしいものをテイクアウトで提供しているほか、イベントなども開催しているそうです。
もうひとつは、元千綿農協第三米倉庫を改装したコミュニティスペース。建物のなかには雑貨や古着、アンティーク家具などを扱っている店、革製品の店、カフェなどがありました。
江戸時代、多くの海産物が集まる流通、交通の要衝として栄え、古くからお茶どころとしてしられている東彼杵町には、厳しい弾圧を逃れて残ったキリシタン墓碑や、長崎の西坂で処刑された日本二十六聖人が時津に向かうために船に乗せらせた乗船場跡などが残っています。
薫風の季節、新茶の香りがする東彼杵町で、その奥深い歴史とともに、まちの新たな魅力にふれてみませんか。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)