Vol.94
2016年4月18日 公開
教会やキリシタン墓碑などを訪れていると、いつのまにか宗教を離れ、そこで生きている、あるいは生きていた人々の想いや人生に寄り添っている自分に気づきます。
人間にとって一番興味のある対象はやはり人間なのでしょうね。
この教会を建てた人々はどんな暮らしをしていたのだろうか、ここに眠っている人はどんな人生を歩んできたのだろうか。建物や石碑の前で精いっぱい想像を膨らませます。
そして厳しい弾圧のなかで、貧しい暮らしのなかで、彼らはなぜ信仰を守り続けることができたのだろうか。いつも同じ問いが生まれてくるのです。
「信じること」が「生きること」だった・・・。
想像の果てにそんな言葉が浮かんできます。きっと人は何かを信じていなければ生きていけないのかもしれません。
新年度がスタートして2週間あまり、これまでと違う環境になじめずに戸惑うこと、うまくいかないこともたくさんもあると思います。
そんなときこそ自分を励まし、自分を信じて歩き続けてほしいと思うのです。目の前の道は春の光に満ちあふれているのですから。
そう、「信じること」が「生きること」。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)