おらしょ こころ旅

Vol.91

サクラ咲く

2016年3月28日 公開

地域によって時期は異なりますが、そろそろ見頃を迎える桜。日本を象徴するこの花は古くから歌にも登場しています。

ひさかたの ひかりのどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ

これは古今和歌集に収められている紀友則の歌。「あった、あった!」と、高校時代の古文の時間を懐かしく思い出した人もいるでしょうね。

日の光がこんなにものどかな春の日に、どうして桜の花だけがあわただしく散ってしまうのでしょうか。そんな散りゆくさびしさ、もののあわれを感じる歌ですね。

さて、長崎県を代表する桜の名所と言えば、「日本のさくら名所百選の地」にも認定されている大村公園もそのひとつ。約2,000本の桜が咲き誇る光景は見応え充分です。

とくに国指定の天然記念物「オオムラザクラ」は、花弁が60枚から多いもので200枚もある二段咲きの珍しい桜。ボリュームのあるピンク色の花は優美で気高く、毎年訪れる人々を魅了しています(見頃は4月上旬から中旬)。

また、大村市内には日本初のキリシタン大名である大村純忠の終焉の地や、「郡崩れ」と呼ばれる潜伏キリシタン発覚事件で亡くなった人々の殉教地などが点在しています。

美しい桜のスポットとともに、訪れていただきたいキリシタンの史跡。このウェブサイトの「ぶらり旅」でもご紹介しています。お出かけの際はぜひチェックしてみてください。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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