Vol.88
2016年3月7日 公開
卒業式のシーズンですね。この季節になると、お世話になった恩師や、仲の良かった同級生との別れに涙したことを思い出す人も多いかもしれませんね。
卒業式で歌う曲といえば「蛍の光」。子どもの頃、この曲の冒頭に登場する「蛍の光 窓の雪」という歌詞から、そのかすかな明かりをたよりに勉学に励んだ時代があったことを知り驚きました。
「蛍の光」はもともとスコットランドの歌で、原題は「オールド・ラング・サイン(Auld Lang Syne)」。スコットランド語で「古き良き日々」という意味で、旧友と再会し昔をしのびながら祝杯を交わすという内容だそうです。
この曲が「蛍の光」として小学唱歌集に掲載されたのは1881年。スコットランドからの移民が多いアメリカを経由して日本に伝わり、稲垣千頴(ちかい)という人が作詞をしました。
ところで、「蛍の光」の原曲が讃美歌として歌われていることをご存知でしょうか。讃美歌370番「目覚めよ我が霊(たま)」がそれです。
美しい曲は国境を越え、新しい歌となっていろんな場面で歌い継がれていくんですね。
蛍の光 窓の雪 書(ふみ)読む月日 重ねつつ
いつしか年も すぎの戸を 開けてぞ今朝は 別れ行く
学校の体育館で歌った過ぎし日を思い出しながら、今年も旅立ちの季節を迎えます。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)