Vol.86
2016年2月22日 公開
長崎駅から車で約10分、稲佐橋をわたった高台にある稲佐教会堂を皮切りに、造船所を左手に見ながら時計まわりに海岸沿いを走ると、飽ノ浦教会堂、木鉢教会堂、神ノ島教会堂、福田教会堂、岳教会堂があります。
教会堂が建てられた年代はそれぞれ異なりますが、信徒の方々の祖先は、江戸時代や明治時代に外海地方からやってきた人たちが多いそうです。
福田教会堂、岳教会堂がある福田地区(大浜町)には、かつて遊園地がありました。正式には「長崎遊園地」という名前だったそうですが、福田にあった遊園地なので僕らは「福田の遊園地」と呼んでいました。
そこにはゴーカートや観覧車、ジェットコースターやメリーゴーランドといった遊具のほかに海水浴場やプールもあり、地元放送局主催のイベントなどもよく行われていました。
長崎遊園地は1957年の開園以来、多くの人々に愛されてきましたが、1980年代に入ると県下および周辺に大型レジャー施設がオープンし来客数が減少。施設の老朽化などもあり、1996年に閉園しました。
その後、跡地は再開発され、現在はマンションや商業施設が建ち並んでいますが、ここを通るたびに遊園地で遊んだ子どもの頃を思い出します。
今の遊園地やテーマパークとは比べものにならないほどささやかでしたが、当時の子どもたちにとっては充分満足できる施設でした。そうそう、お化け屋敷もありましたね。もちろん、入ったことはありませんが・・・。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)