Vol.85
2016年2月15日 公開
もしも第一志望の学校に合格していたら、もしもあの企業に就職できていたら、自分の人生はどうなっていたのだろう。そう思ったことはありませんか。
たとえば、日本におけるキリスト教の歴史のなかでも、禁教の時代ではなく、キリスト教文化が繁栄した時代に生まれていたら・・・そう考えた人たちもいたでしょうね。
もしそうだったとして、その人の人生は大きく変わったのでしょうか。変わったかもしれないし、たいして変わらなかったかもしれません。
なぜなら人間はいろんな局面を乗り越えながら生きているからです。自分が望む道を歩いていたとしても、やがていくつかの道が目の前にあらわれ、そのひとつを選んでまた歩きださなければならないからです。
ひょっとすると選ぶ権利は自分にはなく、誰かが選んだ道を歩くことになるかもしれません。だから、ひとつの局面だけで成功か失敗かを判断するのは早急すぎると思うのです。
その人の人生がどうなるのかは誰にもわかない。テレビドラマなどでよくある一発逆転だってあり得るかもしれませんよね。
うまくいったりいかなかったり、思い通りにならないのが人生。だからこそチャレンジする心も生まれてくるのでしょう。
受験シーズン真っ只中。結果は合格か不合格のどちらかですが、目標に向かって全力を尽くせば、合否だけでははかれない何かをつかむことができる、数十年前、第一志望の大学受験に失敗した私はそう思うのです。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)