Vol.79
2016年1月4日 公開
「去年はうまくいかなかったけど、今年こそは!」と決意も新たに2016年をスタートした人や、さらに高い目標を掲げて初日の出に手を合わせた人もたくさんいるのでしょうね。
一方で、「今年はこんなことを始めてみようかな」「あんなことにも挑戦してみようかな」なんて、新年を機に人生の楽しみを見つけようとしている人もいるかもしれませんね。
1月は「今年は!」という意気込みが人々の心に芽生え、町中が希望でキラキラと輝いているように感じます。
努力をすれば達成できることもあれば、努力したってかなわない夢もあります。でも努力をしなければ、そこへ続く道さえも見えてこないのです。
1644年、最後の神父が殉教し、その後、神父不在のなか、信徒自身が指導者となり、ひそかに信仰を守り続けてきた潜伏キリシタンたち。おそらく彼らの誰もがいつかきっと信仰を表明できる日が来ると信じていたに違いありません。
しかし、その苦難の歴史が200年以上も続くことを誰が予想できたでしょうか。それでもキリスト教禁止の高札が撤廃されるまで、先祖からずっとつないできた想いは決して途切れることはなかったのです。
日本におけるキリシタンの歴史は、私たちにさまざまなことを語りかけてくれます。夢はかなうのか、目標は達成できるのか、それはわからないけれど、「今年こそきっと!」「いつかきっと!」という想いを抱いて生きていくことの大切さをおしえてくれます。
今年もよろしくお願いいたします。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)