Vol.76
2015年12月14日 公開
長崎県の人口が減少していることは以前から知っていたのですが、こんなスピードで進んでいるとは正直驚きました。
先日、ある取材で県職員の方に聞いたところ、長崎県の人口は1960年の176万人をピークに減少を続け、現在は約140万人。毎年1万人を超える人口減となっており、この状況が続けば2060年には78万人くらいになるという推計も出ているとのことでした。
その主な要因は、進学や就職などによる若者の県外への流出や、晩婚化などにともなう出生率の低下などですが、これにより県民生活にさまざまな影響が出ることから、県では人口減少に歯止めをかけるための取り組みを進めているそうです。
新しい産業を起こし、人を育て、まちを活性化していこうとする現代の地域社会。一方で歴史をさかのぼれば、キリスト教禁教令を発端とした弾圧によって多くの人々が命を落とした時代もありました。そして今も紛争やテロによって尊い人命が奪われています。
自分が住んでいるまちから日本へ、アジアへ、そして世界へと視野を広げていくと、人間を支配したり、どこかに追いやったり、消滅させたりする行為がいかに不条理で愚かなことであるかが見えてきます。
誰もが誰かにとってかけがえのない存在であり、国や地域をつくり育てる大きな力であること。こんな時代だからこそ、あらためて心に刻んでおきたいと思うのです。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)