Vol.71
2015年11月9日 公開
恐縮ですが、今日11月9日は私の誕生日。もう60代半ばになりました。毎年、家族や友人からお祝いの言葉をもらうのですが、今年はどんなメッセージが届くのかとても楽しみです。
さて、11月9日生まれの有名人というと、千円札でおなじみの野口英世がいます。子どもの頃に彼の伝記を読んだことがある人も多いでしょうね。
野口英世は、1876年に福島県の農家に生まれました。1歳のときにいろりに落ちて左手を火傷し、その障害から農作業が難しくなり、学問で身を立てることを決意しました。
その後、左手の手術を受け、不自由ながらも指が使えるようになったことをきっかけに医師をめざすようになったといわれています。
彼がキリスト教徒であったことはあまり知られていないかもしれませんね。日曜学校やクリスマスの手伝いなど、教会の活動にも熱心に取り組んでいたようです。
日本の学校を修了後、ペンシルベニア大学医学部を経て、ロックフェラー医学研究所研究員となった彼は、細菌学者として数々の論文を発表。ノーベル生理学・医学賞の候補にもなりましたが、長年にわたる黄熱病の研究の途中で病に冒され51歳で亡くなりました。
人々の命を救うために黄熱病の研究に取り組んできた彼の心のなかには、貧しくても体が不自由でも、決してあきらめない強い精神が宿っていたのでしょう。
いくつになっても何かに向かって努力する、そんな人生を送り続けたいものです。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)