Vol.50
2015年6月15日 公開
教会に設置されているステンドグラスには外国から取り寄せたものや、信徒の皆さんが直接ガラスに着色したものなど、教会によってさまざまなものがあるようです。
五島市三井楽町にある三井楽教会は、1880年に建てられたゴシック様式の木造聖堂が始まりといわれ、その後の老朽化などにより、1971年に現在の聖堂が造られました。
この教会のステンドグラスは、三井楽ステンドグラス同好会の皆さんが1999年から6年間かけて制作したもの。キリストの誕生から復活まで、そして五島のキリスト教の歴史などを34枚のステンドグラスで表現しているそうです。
同好会の拠点となっている煉瓦づくりの工房は、当時、関西在住の地元出身の方が地域の活性化のためにと漁業用の倉庫を買い取って改造したものらしく、メンバーの皆さんはここで専門家から指導を受け、ステンドグラスの制作技術を習得したとのことでした。
入口にある「ステンドグラス工房 ぷろじぇくと538」と書かれた木製の看板を見て「538にはどんな意味があるのですか?」ときくと、「5は五島の『五』、3は三井楽の『三』、8はこのあたりが八ノ川という地区なのでその『八』なんですよ」とおしえてくれました。
長崎県五島市三井楽町濱ノ畔八ノ川。ふるさとを愛する人々の飾らない笑顔が印象的なまちでした。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)