Vol.495
2024年2月19日 公開
「おらしょ通信」ではさまざまな記念日をご紹介していますが、なかには初めて知る出来事も多く、歴史の奥深さを感じます。
今週ご紹介する記念日もそのひとつ。2月19日の「強制収容を忘れない日(RemembranceDay)」です。
1942年(昭和17年)のこの日、ルーズベルト大統領の命令によりアメリカに住む多くの日系アメリカ人、日本人移民が転住を余儀なくされ、全米各所に設けられた強制収容所へと送られました。
日米が太平洋戦争に突入し、日系アメリカ人が安全保障の脅威となるとみなされたことが大きな理由でした。
砂漠地帯や人里離れた荒れ地に造られた強制収容所には病院や学校、郵便局などの施設はあったものの、敷地内は鉄条網と監視塔で囲まれ、ブロックごとに建つ木製のバラック小屋が住まいだったそうです。
ひと家族ひと部屋、明かりは裸電球ひとつ、隣室と仕切られた板壁の上は空洞だったという記述もありました。
資料を読んでいくうちに、1867年に起きた「浦上四番崩れ」で各地に流配されたキリシタンのことを思い起こしてしまいました。
毎年2月19日はこの悲惨な歴史を忘れないようにと、アメリカ各地でさまざまな啓発イベントが行われているようです。
ルーツや宗教などが異なるという理由で敵とみなされ排斥される。このことは決して過去のことではなく、今もどこかで起きているのです。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)