Vol.491
2024年1月22日 公開
1月22日は「ジャズの日」。ジャズクラブのオーナーで構成されるJAZZ DAY実行委員会によって2001年に制定されたそうです。
JAZZの「JA」が1月(January)の頭2文字であること、JAZZの「ZZ」が「22」に見えることにちなんでいるとのこと。
これから察するに制定にはかなり苦心した様子がうかがえますが、それだけジャズの魅力を発信し、ファンを獲得したいという気持ち強かったということかもしれませんね。
ジャズは19世紀末から20世紀にかけてアメリカのルイジアナ州ニューオリンズで生まれた音楽で、黒人霊歌や労働歌を元としたブルースなどが基調となっています。
南北戦争を経て自由になった南部の黒人たちが、生きていくためにダンスホールや酒場で歌ったり演奏したりしたことが始まりだといわれており、楽器は巷で安く売られていた軍楽隊のものでした。
しかし、ほとんどの人が音楽教育を受けておらず、楽譜が読めなかったことから酒場の営業が終わったあと、ピアニストの演奏などを聴いて覚え、自分らしいフレーズを生みだしていったといわれています。
禁教期、貝殻の内側の模様を聖母マリアに見立てて祈り、口伝によってオラショを覚えた潜伏キリシタンの信仰にもつながるような気がします。
足りなければ何かで補い、創意、工夫、努力によって活路を見いだしていく。モノにあふれた豊かな時代だからこそ忘れてはならない姿勢なのかもしれません。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)