Vol.476
2023年10月2日 公開
10月2日は「望遠鏡の日」です。
1608年のこの日、望遠鏡を発明したとされるオランダの眼鏡技師リッペルハイが、その特許を申請したことにちなんで制定されました。
しかしこの申請は、原理が簡単で誰でもつくれるのではないかという理由で受理されなかったそうです。
このあともガリレオやニュートンをはじめ、多くの科学者や天文学者によって様式の異なる望遠鏡が開発されました。
日本初の望遠鏡というと、1613年、イギリス東インド会社から徳川家康に献上されたものと考えられていますが、現存する最古のものは名古屋市の徳川美術館に所蔵されている徳川義直愛用の望遠鏡だといわれています。
日本の望遠鏡を語る上で欠かせない人物といえば、1834年に初めて国産の反射望遠鏡をつくった鉄砲鍛冶屋の国友一貫斎(くにともいっかんさい)。彼は発明家でもあったようで、その代表的なものの一つが「魔鏡(まきょう)」でした。
一見するとふつうの銅鏡に見えるそうですが、一定の角度から光をあてると、反射した光があたった壁などに裏面に描かれた文様とは異なる像が浮かび上がるというもの。
当時、潜伏キリシタンのなかには内部にキリストやマリアの像を隠して映し出し、信仰の対象にしていた者もいたといわれています。
高い技術力に裏付けされた傑作といわれているこのキリシタン魔鏡は、福岡市の西南学院大学博物館に所蔵されているそうです。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)