Vol.470
2023年8月21日 公開
日曜日の夕方から夜にかけて「明日からまた仕事(学校)に行かなければならない」という現実に直面して憂うつになることを「サザエさん症候群」というのだそうです。
日曜日夕方にテレビ放映される国民的アニメの「サザエさん」に由来しているようですが、「この番組の終わり=休日の終わり→翌日月曜日の仕事=憂うつ」という流れは、なるほどと共感できますね。
あと10日あまりで夏休みが終わる子どもたちにとって、今は日を追うごとに憂うつさが増してくる時期かもしれません。
始まりがあればやがて終わりはくる、とわかっていても、簡単に気持ちの整理がつかないのが人間です。
一方、いつかは終わると信じ、悲惨な現状に耐えながら生きてきた人たちにとって、終わりが見えないのはこれとは比較にならないほどつらいことだと思います。
幾世代にもわたって禁教を強いられてきた潜伏キリシタンもそうだったのでしょう。
黙認されていた時代には信仰解禁への期待を抱き、弾圧が厳しくなれば絶望の淵に突き落とされる。その繰り返しだったかもしれません。
過去だけではなく、今も世界で起きている戦争や紛争、そして大きな問題となっているいじめや様々なハラスメントについても解決に向けた早急な取り組みが求められています。
悲惨な現状におかれている人たちにとって「もうすぐ終わる」は希望の光なのだと思います。
こうやって苦難に直面している人たちのことを思うと、自身の小さな「サザエさん症候群」などはいとも簡単に乗り越えられそうな気がします。
さて、皆さんはどうでしょうか?
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)