おらしょ こころ旅

Vol.467

美しい水

2023年7月31日 公開

 

81日は、国民の健全な水循環の重要性について理解や関心を深める日として制定された「水の日」。そしてこの日から7日までは「水の週間」として、各地で水の大切さを啓発する行事やイベントなどが行われるようです。

水は私たちの生活に欠かせない大切な資源ですが、キリスト教においても洗礼のときに罪を洗い清めるために使われるなど宗教上重要な役割を担っています。

キリシタン潜伏期に洗礼のことを「御水」、洗礼を授ける人を「お水方」といったのもこうしたことに由来しているのかもしれません。

また19世紀半ば、南フランスのルルドの洞窟から湧き出た清水で病がなおったとされているカトリックの巡礼地、ルルドの泉。これ以降、ルルドの泉は世界各国につくられるようになりました。

日本で初めてルルドがつくられたのは五島市玉之浦町にある井持浦(いもちうら)教会。1895年(明治28年)、フランス人宣教師ペルー神父によって建てられた教会で、五島全域の信徒が珍しい岩を持ち寄って洞窟をつくり、フランスから取り寄せた聖母マリア像を安置し、さらに南フランスの霊水を洞窟横の泉水に注いでつくられたといわれています。

ふれるだけでも不思議と心がいやされる美しい水。

水害の危険が高まる季節ですが、あらためて水の怖さとともにありがたさを感じる日にしたいものです。

 

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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