Vol.464
2023年7月10日 公開
7月10日は「納豆の日」です。
そう、皆さんの予想通り「7(なっ)10(とう)」の語呂合わせから制定されたようです。
納豆の原料は大豆。豆類のなかでもとくにタンパク質、脂質が多く、やせた土地でもよく育つことから山間地域などでは貴重なタンパク源として食されてきました。
大豆はもともと消化吸収されにくい性質があるのですが、ひとたび納豆になると有害物質を分解して吸収しやすくなり、動脈硬化の予防に役立つといわれるナットウキナーゼを生みだしてくれます。
納豆のルーツには諸説あるようですが、いずれにしても煮豆を稲わらなどで包んでいたところ発酵して糸をひく食べ物になったというのが共通したことのようです。
においは相当きつかったと思いますが、最初に食べた人はよほど勇気と好奇心があったのでしょうね。
日本人で最初にキリスト教徒になった人はどうだったのでしょうか。これに負けないくらいの、何か自分を突き動かすような強い気持ちがあったかもしれません。その人物は以前このコラムでも紹介したことのあるヤジロウです。
彼は今の鹿児島県出身。若い頃に殺人を犯したことから当時来航していたポルトガル船に乗ってマカオに逃亡。その後、罪を告白するためにフランシスコ・ザビエルを訪ね、1548年に日本人で初めて洗礼を受けました。
翌年、ザビエルに同行して鹿児島に上陸し、布教活動を始めたのですが、その後の足取りは定かではなく、一説には海賊となり、最後は中国近辺で殺害されたのではないかといわれています。
彼には勇気も好奇心もあったのでしょうが、自分の犯した罪をつぐなうために洗礼を受け、布教活動に取り組んだことから察すると、じつは真面目で正直な性格ではなかったのかと勝手に想像してしまうのでした。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)