Vol.460
2023年6月12日 公開
ブラジルのサンパウロ地方では、女性の守護神で縁結びの神でもある聖人アントニウスの命日の前日6月12日は「恋人の日」になっているのだそうです。
この日は、家族や恋人同士がフォトフレームに写真を入れて交換する風習があり、日本でもこれを普及させようと全国額縁組合連合会が制定しました。
今は家族や好きな人の写真を携帯電話の待ち受け画面にしている人も多いようですが、恋人からもらった額入りの写真を眺めるのも心が癒やされる瞬間かもしれません。
恋人同士が初めて出会った場所というと、どんなところが多いのでしょうか。
いくつかの調査結果をみると、上位は「学校」、「職場」、「友人の紹介」、さらに「インターネット」や「マッチングアプリ」もランキングしていました。
柄本庄市さんの場合は「職場」だったようです。職場といっても、それは九十九島の最大の島、黒島の天主堂でした。
明治末期、黒島には2,000人もの信徒がいたことから新たに教会堂を建てることになり、その建設に携わる大工の一人として呼ばれたのが宇久島出身の柄本庄市さんでした。
彼は仏教徒でしたが、黒島の民家の改修に関わったときに、地元の人々の厚い信仰心に感動して島に住み着き、約2年の工期でさらに信仰を深めていったようです。
やがて天主堂が完成した献堂式の日、島で一番といわれた美しい女性を見そめ、二人はめでたく結ばれたのでした。新しい天主堂が二人の門出の場所になったのですね。
6月はジューンブライド。今年は教会で結婚式を挙げるカップルも多いのでしょうね。
皆さんお幸せに・・・。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)