Vol.459
2023年6月5日 公開
6月6日は「楽器の日」です。
昔から「芸事のけいこを始めるのは6歳の6月6日がよい」とされていることから、1970年に全国楽器協会が制定したそうです。
1、2、3・・・と指を折って数えると、6の数字で小指が立つことから「子が立つ」ともいわれているようですから、このことも制定のあと押しになったのかもしれません。
日本における楽器の歴史は弥生時代にさかのぼります。すでにこの頃には鈴や銅鐸(どうたく)のほか、弦を張った琴のようなもの、皮を張った打楽器のようなものもあったらしく、のちに大陸から伝わってきた楽器が現在の雅楽のもとになったようです。
それでは西洋楽器が日本に初めて入ってきたのはいつ頃でしょうか。
それは1551年のこと。キリスト教の布教のために来日したフランシスコ・ザビエルが、周防国(現在の山口県)の大内義隆に贈呈したもので、チェンバロのような楽器だったといわれています。
その後、島原半島の有馬にイエズス会の神学校「セミナリヨ」が誕生し、入学した学生たちは音楽の授業でグレゴリオ聖歌を歌い、オルガンなどの楽器を練習したと伝えられています。
ここで学んだ4人の少年、伊東マンショ、千々石ミゲル、原マルチノ、中浦ジュリアンが天正遣欧使節として長崎の港からローマへと旅立ったのは1582年こと。
それから8年5か月後に日本の地を踏んだ彼らは豊臣秀吉に謁見、持ち帰った西洋楽器で演奏を披露し、3度のアンコールに応えたといわれています。
どんな演奏だったのでしょうか。タイムスリップして聴いてみたい気もします。