Vol.454
2023年5月1日 公開
「今年のゴールデンウィークはうまく休暇がとれて一週間お休みです」という人もけっこう多いのではないかと思います
旅行や行楽に出かけたり、家族とのんびり過ごしたりと休暇のプランは様々だと思いますが、子どもたちにとっては5月5日の「こどもの日」が何より楽しみでしょうね。
1948年(昭和23年)、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを趣旨に制定された「こどもの日」。戦後まもないことを考えると戦災孤児の姿が制定を後押ししたのかもしれません。
新芽がでるまで古い葉が落ちないという柏の葉の特性から、家系が絶えない縁起の良い食べ物として食されてきた柏餅。
滝を登った鯉が竜となり天に昇ったという登竜門伝説にちなんで揚げられてきた鯉のぼり。
そして邪気、厄を払うといわれている菖蒲湯。
これらの伝統的な風習には子どもの健やかな成長を願う人々の想いが息づいています。
かつて疫病や災害などで親を亡くした子どもたちのために、また貧困から孤児となった子どもたちのために次々と児童養護施設を創設した神父たちや地元の女性たち・・・。
日本のキリシタン史には彼らの献身的な活動がしっかりと刻まれています。
5月5日は新たな命の誕生を祝い、子どもたちの幸せを願うとともに、多くの人々がこういった児童福祉の歴史にもふれる機会になればいいなと思います。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)