おらしょ こころ旅

Vol.405

アイスクリーム

2022年5月9日 公開

この時期、ランチのあとや外出先から帰ってきたとき、またスポーツのあとの楽しみにアイスクリームを食べる人は多いでしょうね。

あの甘さと冷たさが身体に染みわたると、思わず大きく息をついてしまいます。

日本人が初めてアイスクリームに出会ったのは江戸末期のこと。江戸幕府が日米修好通商条約批准書交換のために派遣した使節団が、訪問先のアメリカで食べたのが最初だといわれています。

「又珍らしきもの有。氷を色々に染め物の形を作。これを出す。味は至ってあまく口中に入るとたちまち解けて誠に美味なり。これをアイスクリンという」

使節の一人の日記にはその珍しさとおいしさが驚きとともにこう記されていました。

この使節団の派遣から約10年後の1871年、諸外国と締結した不平等条約改正のために新たにアメリカやヨーロッパ諸国に派遣されたのが岩倉具視を全権とする使節団でした。

しかし当時、日本では浦上四番崩れをはじめとした政府による大規模なキリシタン弾圧が行われており、このニュースはまたたくまに海外に伝えられていました。

使節団は行く先々で厳しい批判を受け、条約改正にはキリシタンの解放が不可欠となり、ついに1873年、キリスト教禁教令の高札が撤廃されることになったのです。

アイスクリームの甘い思い出がのこった使節団と、信教の自由を認めない国と激しく批判された苦い経験をもつ使節団。明暗がわかれた渡航だったといえるかもしれませんね。

59日は、1869年、横浜にアイスクリーム店がオープンし、日本のアイスクリームの歴史が始まった日といわれています。

アイスクリームとひとくくりに言っても、乳成分の量によってアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスにわけられるアイスクリーム類と、牛乳や果汁などに砂糖や香料を加えて凍らせた氷菓があるアイスの世界。さて、あなたはどのタイプがお好みですか?

 

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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