Vol.403
2022年4月25日 公開
あといくつかの問題に正解していれば第一志望の学校に合格していたかもしれない。自分の考えをしっかりと伝えることができていればあの会社に就職できていたかもしれない。
この春、進路を決定する場面に挑み、目標の場所にたどり着けなかった人たちのなかには、
今になっていっそう強く後悔の念を抱くようになった人もいるかもしれません。
何かをしてしまったあとで悔やんでも取り返しがつかないので、事前にしっかりと考えてから行動しなさい。そんな意味で「後悔先に立たず」という言葉があります。
明快な人生の教訓ですが、後悔のない人生なんて果たして存在するのでしょうか。
禁教期、潜伏キリシタンのなかには、苦しい拷問に耐えきれずに棄教したり、改宗したりした人もいました。一方で、厳しい弾圧に耐えてひそかに信仰を守り続けた人もいました。
しかし、その後の人生で、あのとき信仰を続けていれば救われたかもしれない。棄教していればあんな目にはあわなかっただろうに。そう後悔した人もいたのでしょうね。
何をやってもやらなくても人生に後悔はつきもの。しっかり準備して挑んでもうまくいかなければ悔いはのこるのです。
成長する若い細胞たちはたぶんそのことを知っているのでしょう。だから失敗して落ち込んでも、また立ち上がって前に進んでいけるのだと思います。
今は与えられた場所で頑張ってみよう、そしてまたいつかチャレンジしてみよう、そんな若葉のような柔らかい心が輝くこの季節・・・。
ふと、もう戻れない青春時代を思い起こしてしまいます。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)