Vol.401
2022年4月11日 公開
かつて南蛮貿易による利益を求めて受け入れたキリスト教の布教。
しかし、次第にその勢力の拡大に危機感をおぼえた権力者は、やがて禁教令を発布し、宣教師たちを国外に追放。ひそかに潜入した彼らをかくまった信徒たちも拷問を受け、処刑されました。
とくに大村の潜伏キリシタンが一斉に摘発された「郡(こおり)崩れ」では、処刑者が妖術でよみがえらないよう首と胴体を分けて葬るなど、処刑方法も残忍さを増していきました。
その執拗な行為から処刑する側の精神状態にも大きな異変が生じていたのだと思います。
攻撃する側もされる側もすべての人々の心を狂わせていく迫害、差別、そして戦争。このことは歴史が証明しています。
2月下旬に始まったロシアのウクライナへの軍事侵攻。
まるで古代や中世に起きた領土争いのような印象を持った人もいたと思います。
21世紀にこんな戦争があるなんて! 世界中の多くの人がそう思ったに違いありません。
戦いはどのような形で終結するのでしょうか。世界はどうなっていくのでしょうか。
戦争のない平和な世界を願っています。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)