Vol.395
2022年2月28日 公開
てっきり放送禁止用語だと思っていたのですが、そうではなかった「バカヤロー」という言葉。
夕日が沈む海に向かって、あるいは山頂から眼下に広がる街に向かってこう叫びたかった、いや実際に叫んだ人もけっこういるかもしれませんね。
2月28日は「バカヤローの日」。1953年、当時の吉田茂首相が衆議院予算員会で、ある議員の質問に対して「バカヤロー」と発言したことから記念日になったそうです。
このとき吉田首相は大声で叫んだわけではなく、席に着きながら小さくつぶやいたところ、マイクが声をひろって大騒ぎになったとのこと。
これによって内閣不信任案が提出、可決されて衆議院は解散に追い込まれました。口は災いのもと、気をつけなければいけません。
現代はストレス社会。日々の不満やイライラをスポーツや趣味で解消している人は多いと思います。
禁教期、弾圧に苦しんでいた潜伏キリシタンはその恐怖や不安をどのように克服していたのでしょうか。
山に登って何やら叫んだのでしょうか。いや、それでは役人に捕まってしまいますね。きっとひそかに集まってオラショを唱え続けていたのではないかと想像します。
そうすることで心にやすらぎと寛容が生まれ、いつか信仰を表明できるときがくるという希望が芽生えていったのだと思います。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)