Vol.383
2021年11月29日 公開
11月29日は「いい肉の日」。肉用牛の産地である宮崎県の団体が「いい(11)にく(29)」の語呂合わせから制定したとのこと。
先週の「いい夫婦の日」もそうですが、11月は「いい〇〇の日」が多い月でもありますね。
日本の戦国時代の記録などによると、当時は猪や鹿といった獣肉は食していましたが、牛を食べる習慣はほとんどなかったそうです。
その大きな理由が、1587年に豊臣秀吉が発布した伴天連(ばてれん)追放令に記された言葉。「牛馬は人間に仕える有益な動物なので、殺して食べるのは道理にそむく」という内容に起因していたようです。
以来、禁忌とされてきた牛肉料理ですが、ポルトガルの宣教師やキリシタン大名のなかには客人などにふるまうなど、牛肉料理をひそかに味わっていた人たちもいました。
何より驚いたのは、秀吉本人が牛肉料理を好んでいたということ。ルイス・フロイス著の『日本史』にはそんな内容が記されているそうです。
牛肉が本格的に食べられるようになったのは明治時代以降。薄切りにした牛肉を甘辛いタレで煮込む牛鍋が流行し、多くの人々が牛肉のおいしさを知ったといわれています。
今や肉用牛の産地は全国に広がっていますが、長崎県産も負けてはいません。
長崎和牛は、2012年に行われた全国和牛能力共進会肉牛の部で日本一の栄冠に輝いた逸品。焼き肉、ステーキ、すき焼きなど、お好みの料理でそのおいしさを味わってみてください。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)