おらしょ こころ旅

Vol.381

かまぼこ

2021年11月15日 公開

11月15日は「かまぼこの日」です。

かまぼこが初めて文献に登場したのは、平安時代の1115年(永久3年)のことで、この年の数字の並びから11月15日が記念日に制定されたそうです。

初期のかまぼこは、すりつぶした魚肉を竹に塗りつけて焼いたもので、その形が蒲(がま)の穂に似ていることから「かまぼこ(蒲鉾)」と呼ばれていました。

しかし、室町時代頃から板付きのものが作られるようになると、当初作られていたものは「ちくわ(竹輪)」と呼ばれるようになり、しだいに板付きのものを「かまぼこ」と呼ぶようになったそうです。

長崎県島原半島や熊本県天草地方には、かまぼこ型のキリシタン墓碑がのこされています。

それらの多くは布教がさかんに行われていた時代のもので、当時は足を伸ばした状態で遺体を木棺に納め、埋葬した墓の上に細長い蒲鉾型や平石型の墓石を置いていたようです。

しかし禁教期になると、ひと目見てキリシタンのものとわかる墓碑は役人たちによって破壊されるようになり、葬式の際にも必ず僧侶が立ち会うようになりました。

そこで信徒たちは、膝を曲げた状態で木箱に納めて埋葬し、僧侶や縁者が立ち去ったあとで再び棺を引き上げ、横に寝かせて埋葬したのだそうです。

かまぼこ型のキリシタン墓碑は、ポルトガルに伝えられたローマ式墓碑がその原型とされていますが、できるだけ楽な姿勢で故人を天国に送りたいという人々の想いがそこにはあったのかもしれません。

おでんがおいしい季節になりました。

たまごも大根も牛すじもいいけれど、やはり長崎で「かんぼこ」と呼ばれている揚げかまぼこはおでんには欠かせませんね。

 

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

おらしょ通信一覧
トップ