おらしょ こころ旅

Vol.38

聖母が見守った奇跡

2015年3月23日 公開

現在、長崎歴史文化博物館で開催中(4月15日まで)の世界資産推薦記念特別展『聖母が見守った奇跡』に行ってきました。この特別展は、世界宗教史上の奇跡といわれる「信徒発見」150周年と、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産推薦を記念して開催されているものです。

東京国立博物館が所蔵する旧長崎奉行所宗門蔵に保管されていた潜伏キリシタンからの押収品約200点のほか、五島列島、平戸、島原、長崎市外海地区などの関係資料など、約550点を通して長崎のキリスト教の歴史と文化を紹介しています。

教科書でおなじみの「聖フランシスコ・ザヴィエル像」(神戸市立博物館蔵)や、東京国立博物館所蔵の「聖母像(親指のマリア)」、1585年に天正遣欧使節が謁見した「グレゴリウス13世肖像画」(上智大学キリシタン文庫蔵)などの貴重な資料のほか、ロザリオ、マリア観音、聖母像、メダイ、踏絵など、数多くの珍しい品々を一挙公開。

また、冷水教会堂建設当初のステンドグラスや、黒島教会建設当初の尖頭頂部の十字架、頭ヶ島天主堂使用の燭台など、ふだん目にすることのない資料も展示されています。

長崎県内に息づくキリスト教の歴史と文化を体感する特別展『聖母が見守った奇跡』。見終わったあと、今までよりもふるさとを好きになっている自分に気づくかもしれません。時間のゆるすかぎり、ゆっくりとごらんください。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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