おらしょ こころ旅

Vol.378

世界遺産登録3周年

2021年10月25日 公開

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されてから早3年になります。

潜伏キリシタン関連遺産は、江戸幕府がキリスト教禁教令を発布して以降、宣教師が不在のなか、神道や仏教など日本の伝統的な宗教や一般社会と関わりながら信仰を続けた人々の伝統の証となる遺産群です。

なぜ潜伏するようになったのか、どのような形で信仰を続けたのか、そしてどのようにして「潜伏」は終わりを告げたのか。

潜伏キリシタン関連遺産はそれらを物語る12の資産で構成されており、そこには時代に翻弄されながらも信仰のために生きた人々のドラマが息づいています。

登録後は、学校教育の補助教材として使用されるなど、生きた遺産として活用されている潜伏キリシタン関連遺産。

現在、長崎歴史文化博物館では、世界遺産登録3周年を記念して「遠ざかる『世界』、キリシタンが待ち望んだ『世界』〜古地図と潜伏キリシタンの信仰用具〜」が開催されています(11月14日まで)。

対外交流の歴史の大きな流れのなかの「世界」と「キリシタン」の関係性を、古地図と信仰用具を介して紹介するこの記念展は、12月には大村市歴史資料館で、来年1月以降は北九州や東京でも開催が予定されています。

この機会に改めて「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の歴史をより身近に感じていただきたいと思います。

 

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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