Vol.376
2021年10月11日 公開
10月11日は「『リンゴの唄』の日」です。
1945年の今日、戦後初めて製作された映画「そよかぜ」が封切られ、その挿入歌である「リンゴの唄」が大ヒットしたことにちなんで制定されたそうです。
作詞はサトウハチロー、作曲は万城目正。歌ったのは並木路子、霧島昇。若い人には馴染みがないかもしれませんね。
可憐な少女の想いを赤いリンゴに託したこの歌は、戦後まもない国民の憔悴しきった心をいやし、希望を与える歌として大衆に支持されました。
苦しみから解放された人々の愛唱歌ともなったリンゴの唄。歌にはきっと人々を勇気づける力があるのだと思います。
1873年(明治6年)2月、キリスト教禁教令の高札が撤廃され、200年以上も続いた弾圧から解放され、晴れて信教の自由を手にした信徒たち。
当時、「リンゴの唄」のように彼らの想いに寄り添った歌はあったのでしょうか。
明治初期に流行していた歌は軍歌や行進曲、端唄だったようですから、信徒たちは馴染みのある聖歌などに喜びや感謝を込め、よりいっそう高らかに歌ったのかもしれません。
うまくいかなくて落ち込んだときや、悩み苦しんでいるときに勇気づけてくれる歌。あなたにとっての「リンゴの唄」はどんな歌ですか。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)