Vol.374
2021年9月27日 公開
子どもの頃、うちには大人用の自転車が一台あり、家族が使っていないときは公園や広場に運んで乗る練習をしました。
兄や友だちに手を借りて後ろの荷台を押してもらいながら前に進むという方法で、支えている人が手を離すとたちまち花壇に激突したり、ゴミ箱に突っ込んだりしていました。
大人用なのでサドルにまたがると足がペダルに届かない。そこでおぼえたのが三角乗りでした。
三角乗りは、三角形のフレームの中に片足を入れてペダルをこぐという不安定な姿勢での乗り方ですが、あきれるほどよく転んだおかげでいつのまにか乗れるようになり、中学生になるとサドルに座りペダルをまともにこいで出かけるようになりました。
あれから数十年、自転車に乗ることもほとんどなくなりましたが、先日、九州・山口サイクルマップを入手し、再びサイクリングに興味が湧いてきました。
風を感じながら走り、美しい風景を眺めたり、名所を訪れたり、名物のグルメを味わったりする自由気ままな自転車旅行。
各地の海岸線を走る、九州を横断する、島々を巡るなどルートも多彩。長崎や熊本を走るときは足を伸ばして潜伏キリシタン関連遺産を訪れてみるのもいいですね。
そして、このウェブサイトで紹介している「世界遺産巡礼の道」もおすすめ。歩いて巡るのももちろんいいのですが、自転車で旅するというのも一つの楽しみ方かもしれません。
ところで、ツーリング用の自転車っていくらくらいするのでしょうか。気になります。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)