Vol.371
2021年9月6日 公開
9月6日は「クロスワードの日」。1992年、クロスワードの専門誌を発行していた出版社が「9(ク)6(ロ)スワード」の語呂合わせで制定したとのこと。
一方、アメリカでは、1913年12月21日にニューヨークの新聞社が日曜版に初めてクロスワードパズルを掲載したことからこの日を「クロスワードの日」としています。
その後、この連載をまとめた本が出版されると世界中に広がっていき、1925年頃には日本の雑誌にも掲載されるようになったようです。
日本語で作成する場合の主な注意点は、すべて文字はカタカナとし、小さな「ッ」や「ョ」は大きな文字としてあつかうこと、また同じ言葉を2回以上使わないこと。
さらに、黒マスは縦、横で連続しないこと、四隅には置かないこと、などがあげられます。
「クロスワードパズル(crossword puzzle)」の「クロス」には「交差すること」「十字架」といった意味がありますが、「十字架」といえばポルトガル語の「クルス(cruz)」のほうがより一般的かもしれません。
キリシタンの歴史が息づく長崎県には「クルス」に由来する地名がいくつかあります。
たとえば、ポルトガル人宣教師が大きな十字架を建てたことから「クルスの丘」と呼ばれ、やがて漢字でこう書くようになったという平戸市生月町の「黒瀬(くろせ)の辻」。
また、海上から眺めると樹木が密生して黒く見えることからその名が付いたという説がある一方、キリシタンが多く住んでいたことから「クルス島」といわれるようになり、そこから転じてこうなったという佐世保市の「黒島(くろしま)」。
信徒たちは祈りの対象や信心具だけではなく、地名までもカムフラージュして信仰を続けてきたのかもしれません。それだけ弾圧が厳しかったということなのでしょうね。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)