Vol.362
2021年7月5日 公開
暑い夏はスタミナをつけるために焼き肉!という人がいる一方で、やはりツルツルとのど越しのよいそうめんがおすすめ!という人もいるでしょうね。
長崎県は全国有数のそうめんの産地。とくに島原半島ではさかんにそうめんづくりが行われています。
島原手延べそうめんのルーツについては諸説があるようです。
そのひとつが「島原・天草一揆」による荒廃後、小豆島から移り住んだ人たちがこの地に伝えたという説。
そしてもうひとつは中国から伝来したという説。
江戸幕府によるキリシタン禁教令が発布されると、長崎の唐人たちはキリシタンではないことを証明するために興福寺、福済寺、崇福寺の3つの寺院を建てました。
こういった寺の仏事や一般の食事に出されていたのがそうめんの原点ともいえる「索面(さくめん)」。
これが唐寺の僧らによって島原半島に伝えられたのではないかともいわれています。
県産のそうめんとして忘れてはならないのが、ド・ロさまそうめん。
1879年に外海地方に赴任し、人々の貧しい暮らしを立て直すためにド・ロ神父が教えたその技術は戦後いったん途絶えたものの、地元の人々の取り組みによって見事に復活。今では多くの人々に親しまれています。
夏といえば冷やしそうめんが定番ですが、食通の友人によるとサラダやパスタ仕立て、ラーメンのようにスープでいただくのも絶品だとか。ぜひお試しください。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)