Vol.361
2021年6月28日 公開
今年、長崎市は開港450周年を迎えました。
長崎歴史文化博物館ではこれを記念して今月6日まで企画展「ふたつの開港」が開催されていました。ご覧になった方もいらっしゃるでしょうね。
「ふたつの開港」のうち、最初の開港は1571年(元亀2年)。
それまで一漁村だった長崎はこれを機に貿易港として機能することになり、南蛮文化に彩られたキリシタンのまちとして繁栄しました。
その後、外交、貿易の重要な拠点となった長崎は、鎖国時代も海外に開かれた唯一の窓口として世界の様々な文物を受け入れ、発展してきました。
そして、もうひとつの開港のときがやってきます。
それは1859年(安政6年)のこと。前年に締結された五カ国との修好通商条約を受け、箱館、横浜とともに開港。最先端の科学技術や様々な情報がもたらされ、日本近代化の原動力となったのです。
やがて東山手、南山手を中心に外国人居留地が形成され、そこに住む人々のために大浦天主堂が建設され、長崎は国際色豊かな文化都市として歩み続けてきました。
今日6月28日は、この二つ目の開港にちなんで制定された貿易記念日だそうです。
これまで長崎のまちづくりに活かされてきた開港の歴史。
今後のまちづくりにはこれに加え、時代に対応した新たな発想が求められるのでしょうね。
大規模な開発計画が進む今、あらためて議論を深める必要があるのかもしれません。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)