Vol.360
2021年6月21日 公開
6月21日は、一年で最も昼の時間が長くなる夏至。そして「スナックの日」でもあります。
「スナック」とは、歓楽街にあるお店のことではなく、スナック菓子のこと。
昔、夏至の日に正月の餅を硬くして食べ、歯を丈夫にして長寿を願う「歯固め」の習慣があったことから制定されたようです。
スナック菓子は、原料にトウモロコシ、米粉、芋類、豆類などの炭水化物を用い、それを食用油で揚げている菓子類のこと。
代表的なものとしてポテトチップス、ポップコーンなどがあげられますが、〇〇〇えびせん、〇〇〇〇コーンなど、商品名をきくとすぐにわかる有名な商品もあります。
スナック菓子が登場した1950年代から60年代はお菓子の黄金期ともいえる時代。
大手菓子メーカーの商品に加えて駄菓子も大人気で、連日、駄菓子屋さんは子どもたちでいっぱいでした。
しかし小遣いには限度があるため、家庭での手作りおやつも楽しみの一つでした。
とくに好きだったのが、ふかしたサツマイモ。ほくほくとした食感に続いてほんのりとした甘さが口に広がるとなんとも幸せな気分になったものです。
サツマイモといえば、かつて潜伏キリシタンが移住した五島列島は古くからの産地。
薄く切って天日で干したかんころ、餅にそれを混ぜてつくるかんころ餅は懐かしいふるさとの味です。
一緒に遊んだあの同級生はどうしているのかな、転校したあの女の子は今も元気かな。
こんがり焼いて口に頬張れば、素朴な味わいが遠い記憶を呼び起こしてくれそうです。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)