Vol.347
2021年3月22日 公開
先日、あるテレビ番組で「パパ検定」という長崎県の取り組みを紹介していました。
「パパ検定」とは、子どもたちがお父さんのことをどれだけ知っているかをチェックする簡単なテストのようなもの。
お父さんの名前、年齢から血液型、誕生日、好きな色、口癖や宝物などについて子どもたちが一生懸命に考えながら解答用紙に記入していきます。
長崎県が配信している動画にはそんな子どもたちの様子を優しいまなざしで見守るパパや、100点満点をはるかに超えた評価に涙ぐむお父さんの姿が映し出されていました。
さまざまな想いを巡らせながら考え、はじめて知ったお父さんのこと。その発見と感動がきっと父親と子どもの、さらに家族全体の絆をより深めていくのでしょう。
知っているようで知らなかったこと、知っているつもりだったけれどそうではなかったことなど、私たちのまわりには思っていたことと異なるモノやコトがたくさんあります。
思い込みで物事を判断しないためにも、謙虚に知ること、その努力を重ねることが必要なのだと思います。
長崎県の各地にのこるキリスト教関連遺産にも文献やインターネットの情報だけではつかみきれない歴史やドラマが息づいています。
今は難しいけれど、状況が許すようになれば、それらを守る人々との出会いを通してぜひ“生きた遺産”の物語にふれていただきたいと思います。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)