おらしょ こころ旅

Vol.34

キリシタンをまつった神社

2015年2月23日 公開

平成24年秋、香港、モナコと並び「世界新三大夜景」に認定された長崎のまち。特に稲佐山から眺める1000万ドルの夜景は多くの人々を魅了しています。山頂までは車でも行けますが、よく利用されているのがロープウェイ。数年前にリニューアルされたゴンドラからは美しいパノラマが楽しめます。

その発着場所となっているのがロープウェイ淵神社駅(長崎市淵町)です。淵神社は、約380年前に開かれた由緒ある神社。拝殿から左に進むと、長崎代官 高木家のお社だった高木稲荷神社、芸事の神様として知られる宝珠稲荷神社、そして桑姫神社があります。

桑姫神社は、キリシタン大名 大友宗麟の孫娘マキゼンシャ(キリシタン名)をおまつりしている神社。大友氏が豊臣秀吉に領地を没収され滅亡したあと、難を逃れて淵村に移り住んだ彼女は、桑を植えて蚕を飼い、地元の女性たちに糸の紡ぎ方を教えたそうです。そして没後、墓所に桑が植えられたことから桑姫様と呼ばれるようになったといわれています。

キリシタンをまつった神社として全国的にも珍しい桑姫神社。彼女の命日が旧暦の七夕の日であることから縁結びの神様としても知られています。ロマンチックな夜景を楽しんだあと、ぜひカップルで立ち寄っていただきたい場所です。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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