Vol.322
2020年9月28日 公開
今年は大型で非常に強い台風が立て続けに日本に接近、上陸して大きな被害をもたらしています。
このコラムを 書いているの は台風 10 号が通り過ぎた週末 。 もうこれ以上台風 に はきてほしくないと 思う 一方で、窓ガラスに貼った養生テープを剥がすべきかそのままにしておくべきか悩んでいる 自分がいます 。
私たちが普段口にしている「台風」という名称や表記が定まったのは意外と新しく、1956年(昭和31年)のことだといわれています。
明治時代は「大風(おおかぜ)」、江戸時代は「颶風(ぐふう)」、もっと古くは「野分(のわき、のわけ)」などと呼ばれていたそうです。
歴史 的に有名な台風 といえば 、 1274 年 と 1281 年の 二度にわた り 日本に侵攻してきたモンゴル軍を襲い、撤退に追い込 んだ暴風雨 。 いわゆる 文永・弘安の役 の神風でしょう 。
また、 1543 年 に 伝来した 鉄砲は 、 暴風雨で種子島に漂着した 南蛮 船 が運んできたものですし、 フランシスコ・ ザビエルに続いて 日本に向かった宣教師のなかには激しい嵐に遭い、 目的を達成すること できなかった 人もいた と思います 。
これまで経験したことのない、特別警戒級の、非常に強い、猛烈な、などと形容される昨今の台風。
命の危険を知らせるための適正なニュースや防災情報はもちろん必要ですが、だからと言って情報を発信すればそれで終わりというわけにはいきません。
それらを充分に受け止めることができない、また情報源にたどり着くことができない方々がいることを私たちは知らなければなりません。
そしてそんな方々のためにはどのような伝達方法があるのか、また台風通過後は避難方法や避難所のあり方に問題はなかったかなど、あらためて検証する必要があるのではないかと思います。 もはや自然災害は毎年発生するといっても過言ではないのですから・・・・。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)