おらしょ こころ旅

Vol.276

守り育てる文化

2019年11月4日 公開

2000年以降、ハッピーマンデー制度が適用されたことにより、国民の祝日の一部が〇月の第〇月曜日に移動されたり、振替休日が増えたりしたことで、今日が何の休日なのかはっきりしないことがしばしばあります。

年をとるに従って表れてくる現象なのか、元来私に備わっている性質によるものなのかわかりませんが、11月3日は「文化の日」、4日は振替休日と、改めてカレンダーを見て確認したのでした。

11月3日は、1946年(昭和21年)に日本国憲法が公布された日。憲法が平和と文化を重視していることから、1948年に公布、施行された祝日法によって「文化の日」と定められたそうです。

「文化の日」の趣旨は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことらしいのですが、この「文化をすすめる」という表現がいかにも時代を反映しているなぁと妙に納得してしまいました。

戦後まもない国民の疲弊した心や暮らしを元気にしたい、豊かにしたい、そんな想いが込められていたのかもしれませんね。

「文化」という言葉を辞書で調べてみると、その意味のひとつに「人間が自然に手を加えて形成してきた物心両面の成果。衣食住をはじめ科学・技術・学問・芸術・道徳・宗教・政治など生活形成の様式と内容とを含む」とあります。

つまり、先人たちが築いてきたもののすべてが「文化」といえるのでしょうね。

そして、その中でも世界文化遺産ふさわしいものとして評価されたのが「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」だったというわけです。

長崎県には、この潜伏キリシタン関連遺産の12の構成資産のほかにも数多くのキリスト教文化遺産があります。

これらを大切に守り育てていく「文化」も、しっかりと根付かせていきたいものですね。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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