Vol.266
2019年8月26日 公開
昔、人々は島の中心にある大きな教会に集まり、祈りを捧げていました。
しかし混乱の時代に入り、人々が教会に集まって祈りを捧げることはなくなりました。
島の教会をずっと守ってきた神父は、また人々が訪れることを願い、教会の宝物を島のどこかに隠したそうです。
それから100年が過ぎ、教会の修復工事が行われることになりました。そのさなか、床下から古い地図が発見されたのです。
そこには複数の暗号が記されていました。
神父は隠した宝物のありかをこの地図に記したらしい。宝物は今もどこかに隠されていて信仰の復活を待っているんだ。さぁ、宝探しに出かけよう!
これは、地図に書かれた謎や暗号を解きながら隠された宝を探し出す「佐世保・黒島×リアル宝探し 祈りの島の隠れ財宝」というイベントのストーリーです。
佐世保市黒島の集落は、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のひとつ。禁教期に外海などから移住した潜伏キリシタンが組織的に信仰を続けた集落です。
解禁後、カトリックへ復帰した潜伏キリシタンは、当初、指導者の家などを仮聖堂としていましたが、やがて教会建設の機運が高まり、初代の黒島天主堂を建設。その後、建て替えが行われ、1902年に現在の黒島天主堂が献堂されました。
今年の夏休みはいろいろな事情でお子さんと過ごす時間が少なかったという皆さん。
黒島の宝探しは10月31日まで。休日などを利用して参加してみてはいかがですか。
くわしくは、https://www.sasebo99.com/event/64849/ をごらんください。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)
平戸島の南東、佐世保港沖に位置する黒島にある教会堂である。【登録資産グループ/黒島の集落】
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明暦3年(1657)603人の潜伏キリシタンが発覚した大事件「郡崩れ」に関係する。