Vol.257
2019年6月24日 公開
今日は「ドレミの日」です。
11世紀初頭、イタリアの元修道士で音楽教師のグイード・ダレッツォという人が、グレゴリオ聖歌を覚えるのに苦労していた聖歌隊を見て、何か良い方法はないかと考えたのがはじまりだそうです。
彼は、まず音楽教師向けのテキストをつくり、五線紙の原型となる四線上に音符を並べる記譜法を生みだし、音階に「ド」「レ」「ミ」という名前をつけました。
この名前の元となったのが「聖ヨハネ賛歌」。この讃美歌は各節が一音階ずつ上がっていたことから、グイードは各節の歌詞の頭文字をとって「Ut」「Re」「Mi」「Fa」「Sol」「La」としたそうです。
のちに「Ut」を「主」を表すDominusの「Do」に変更し、さらに「聖ヨハネ賛歌」の最後の歌詞から「Si」を加えて現在の音階ができあがったといわれています。
「聖ヨハネ賛歌」が歌われるのは、洗礼者ヨハネの誕生日である6月24日。そのことから今日が「ドレミの日」となったわけです。
「ド」「レ」「ミ」と聞いてすぐに思い浮かべるのが、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の劇中歌「ドレミの歌」。
♪〜「ド」はドーナツの「ド」 「レ」はレモンの「レ」 「ミ」はみんなの「ミ」 「ファ」はファイトの「ファ」 「ソ」は青い空 「ラ」はラッパの「ラ」 「シ」は幸せよ さぁ歌いましょう〜♪
じつはこの歌も「聖ヨハネ賛歌」と同じように子どもたちが自然に音階を覚えられるよう、各節の最初が一音ずつ上がるメロディになっています。
日本語の歌詞にもドーナツやラッパなど身近なものが登場していますね。
いろんな人の努力や想いによって、音楽は多くの人々に親しまれるものになったんですね。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)
明暦3年(1657)603人の潜伏キリシタンが発覚した大事件「郡崩れ」に関係する。