Vol.238
2019年2月11日 公開
2月11日は建国記念の日です。
日本では建国日が明確ではないことから、古事記や日本書紀で初代天皇とされる神武天皇の即位日をもとに1873年、2月11日を建国の日とする「紀元節」が定められました。
1873年といえばキリスト教禁制の高札が取り除かれた年です。
その後、「紀元節」は1948年に廃止され、1966年に「建国記念の日」として国民の祝日となり、その翌年から適用されるようになりました。
その趣旨は「建国をしのび、国を愛する心を養う」というものでした。
すでにこの頃、戦後の復興を果たし、オリンピックを開催するまでに成長した日本のことを多くの国民が誇りに思い、愛していたのではないかと思います。
「国を愛する心を養う」ことと同じくらい大切なことが「愛される国をつくる」こと。
人々に愛される国とはどんな国なのでしょうか。
領地を奪い合うために戦いが絶えなかった時代や、キリスト教を禁止し、信徒たちに厳しい弾圧をあたえた時代、そして戦禍のなかで多くの人々が命を落とした時代・・・。
そんな時代をもたらした国は愛されるにはほど遠い存在といえるのかもしれません。
いくつもの時代の歴史を学ぶことによって見えてくる国を愛すること、愛される国をつくること。
「建国記念の日」の今日だからこそ改めて考えてみたいと思うのです。
誰もが大切な人と幸せに暮らせる国のかたちを。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)